レーザーで刺青が消すには何回施術が必要か?2014/7/09更新
アメリカではタトゥー除去用のレーザー機器の売上が
伸びているそうです。
美容レーザー機器市場は、
2009年~2012年の間で年間20%程度増加し
現在は12億ドル以上になっています。(日本円で1270億円)
レーザーの性能もどんどん上がっており、
旧来のQスイッチレーザーはナノ秒単位での照射でしたが
最新のものはピコ秒(ナノの1000倍!!)での照射が可能で熱エネルギーも高いそうです。
ですがご理解いただいきたいのは、レーザーの性能がどれだけ上がっても、
レーザー照射による刺青除去においては
刺青の「色」やインクの「濃さ」の問題だけでは決まりません。
刺青を入れた時に生じた針による「傷痕(瘢痕)」は
レーザーによって改善することはないことので
仮に傷痕(瘢痕)を一切生じないレーザーが開発されたとしても
刺青の形の傷あとが100%残ります。
すなわち、レーザーでは100回施術しても消えません。
レーザーは刺青を薄くする治療なのです。
他院でタトゥーのレーザー治療をされた方が
「結局消えない」
「ゴールが見えない」
「入れ墨が凸凹になっただけ」
「初回は効いたがその後の治療は効果が出なかった」
などと、結果に不満を持って来院されることがあります。
ですが、レーザーでは入れ墨を100%消すことができないので
このような感想になるのは仕方がないのです。
刺青を無傷で取ることは、絶対にできません。
また、入れ墨のレーザー治療を先に受ければ受けるほど、
その後に行う他の刺青治療がやりにくくなります。
「まずはレーザーを受けてみて、ダメだったら次の手を…」
という安易な刺青治療には、わたしは反対です。
当院に相談に来られた患者さんについても、
よくよくご相談の上で、レーザーの適応を決めています。
当院では、受けていただく施術方法は
患者さんの自己判断のみで選ぶのではなく、
医師として責任を持って、できるだけ満足いただけ
その後の生活に支障が出にくい治療法を一生懸命に考えて、
その上でご提案しております。