刺青の分割切除は、もう古い2016/3/01更新
背中一面の、大きな刺青を除去したいと
相談に来られた地方の30代女性のお話です。
都内の有名クリニック(刺青除去で有名なところ)に相談に行ったところ、
分割手術×4回の提案をされたとのこと。
スタッフさんが症例写真も見せてくれたようですが、
参考にならないほどの小さな刺青除去の写真で、
ご自身の大きな刺青の場合はどうなるのか少し不安になったそうです。
女性のカウンセラーと事務的な会話を行い、
その後医師による診察だったのですが、
先生は「4回ね、あまり薦めないけど…」と
女性の刺青を見ていったそうです。
…先生、もっと、まじめに考えてくれませんか?
医師が薦めない手術であれば、やらないほうがいいですよね?
いつも言っている通り、
皮膚も皮下組織も、手術をしない最初の状態が柔らかいのです。
不要な手術を一度、二度と繰り返すことで
皮膚や組織はどんどん固くなります。
患者さんご自身でも皮膚の固さを感じるとおっしゃいます。
例えるとタオルでギューっと縛ったような絞扼感を感じるようです。
わたくしの立場からの意見を述べますと
切除手術を受ければ受けるほど
治療後にご相談にきた方々の削皮手術が大変になると言えます。
刺青の分割切除治療正直言ってもう古いです。
その方法で、大きな刺青の除去治療はできません。
今回の女性に対して当院では削皮治療の提案をしました。
ご本人は納得されたみたいです。
しかし、一番良いことは「刺青を取らないこと」と
説明したらもっとびっくりされていました。
最近、境クリニックでは、
ごく小さな刺青でも切除ではなくて削皮をおすすめしています。
刺青除去はひどい結果ばかりという恐ろしい世界ですが
小さな刺青の削皮は圧巻の仕上がりになることすらあります。