刺青除去治療における2つの問題点

「手術費用」と「美容」という刺青除去治療の2つの問題

さらに、刺青除去治療の根底にある2つの大きな問題点から目を背けてはいけません。

患者さんも、刺青治療には良い切除法がないし今後も出てこないという現実を知っておく必要があると感じています。美容外科や形成外科における刺青治療広告のキャッチフレーズでは、まるで無傷で100%刺青がなくなるとか、大きな刺青でも一直線に、という夢のような文言が書かれていることがあるかもしれません。
しかしそういった美辞麗句は、あくまで理想でしかありません。

刺青切除治療の場合、本人が好んで身体にいれたものを、医師が再び元に戻すという特殊性があるため、一般的な美容外科治療とは異なるように思われがちです。実際に「どうせ自分で入れたんでしょ。」と言った乱暴な考え方とその雰囲気による治療が蔓延しています。

人の身体にメスを入れて傷を作ったり、レーザーを当てて軽い火傷をさせるという行為は、他の美容外科治療と同じです。ですので、刺青切除の治療結果については、100%医者に責任があります。病気や怪我ではない状態に対する手術ですので美容と同じことなのです。このことに、医者側も目を背けているのではないでしょうか。

実際に当院では、刺青治療をすでに受けた方からの相談も多く受けていますが、高い確率で酷い治療結果になっています。しかし、社会問題とはなっていません。なぜでしょうか。

わざわざ入れた刺青を取りたい人は、少数派でなおかつ目立たないようにしているということがその理由でしょう。刺青除去を考えている人が少数派で、しかも刺青を入れていることを内緒にしたい、また他人に知られず切除したいと思っている人が多いのです。そのため、足元を見た刺青治療が多いのが現実なのです。

自分で刺青を入れた患者さんが悪いと言わんばかりの、まるで罪人扱いの治療では、良い結果もなければ医学的な進歩もありえません。

※当院での治療結果

<術前>
施術前
<術後>
施術前
<除去した刺青>
施術前

1.刺青除去の手術費用について

自由診療とはいえ、治療には適正な手術費用があると思います。刺青除去が得意ではない美容クリニックの場合、あえてびっくりするような高額な費用を提示して暗に刺青除去の手術を断っていることもあるように思えます。
逆にあまりに手術費用が安い美容クリニックも要注意です。手術費用が安いということは、カウンセリングや手術に時間や手間を十分にかけませんと言っているだけです。

手術費用はクリニック運営上、リスクやかける時間・手間などによって自然に決まります。当院でも手術費用については、できるだけ患者さんの負担を少なくしたいという想いもありますし、とはいえ運営のことも考えると胃が痛むほど悩むところです。
刺青除去手術の費用が高すぎて、患者さんが手術を受けることができないのでは本末転倒です。かといって、他クリニックと比較した際に随分と費用が安い場合は、手術に対するリスクを意識していないので危険ですし、コスト削減のために患者さん一人ひとりに短い時間しか使ってくれない可能性もあります。

2.女性特有の問題

女性の場合、若い頃に刺青をいれたが、好きな人ができたり結婚を考えた際に、刺青を切除したいと考えて来院されることが比較的多いです。ですが、男性のことを考えて刺青除去の手術を行ったものの、女性の術後の皮膚の様子を見て、男性が「傷あとが痛々しくて見ていられない。」と言って疎遠になってしまったカップルもいました。女性が考えているよりも一般的に男性は出血・傷・傷あとが苦手だと言えるでしょう。
反対に、10代のころに入れたタトゥーのため、その後恋愛や結婚に積極的になれなかった女性が、手術後1年程度して、無事に婚約したと言ったうれしいお知らせをいただくこともあります。刺青除去の手術が、皮膚の問題だけではなく、患者さんの一生に影響を与えることもあるのだと考えてしまうこともあります。

なお女性の場合は特に、刺青除去の治療中の妊娠・授乳などは絶対禁忌です。お子さんの成長は絶対に取り返しのつかない問題です。薬剤を使用しないレーザーによる刺青治療だから安全とも言えません。レーザーの痛みによって母乳分泌量が減る恐れすらありえます。刺青手術は癌などの手術とは異なり、手遅れになることはありません。女性は特にご自身のライフサイクルも考慮した上で切除手術をご検討されることをお勧めします。

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