肩から腕部分における刺青除去治療の注意点

部位別 刺青除去の注意点

部位によって皮膚や繊維質に違いがあります。それぞれの特徴やダウンタイムの長さ等を理解した上で施術に挑むとよいでしょう。

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3.上肢(肩~腕)

■腕・二の腕の刺青
刺青・タトゥー治療の50%が、腕や二の腕です。この部位に傷あとが残っているだけで刺青治療をしたと思われる可能性があることを、当院では必ず事前に説明しています。
腕の大きな刺青の切除や広い剥離の場合は、特有のパツンパツン感と言いますか、絞扼感が起きることがほぼ確実です。この痛みは「睡眠薬がないと眠れないくらい」とか、「タオルで思いっきり縛ったような痛み」など、紋切型独特の言い方で表現される強い自覚症状があります。大き目の刺青を分割切除による手術で提案された場合には要注意です。
それどころか、腕には手に行く大切な神経・血管が走っています。強く絞扼されたために手がしびれたり血流が悪くなって冷たくなったりして、分割切除途中で治療をあきらめてしまった方も複数人おられました。また、腕の大きな刺青に対しての切除縫縮時、張力が強い場合には、広く剥離を行う医師も多いと思います。しかし、剥離によって広い皮下瘢痕が生じ自覚症状が強くなっているようです。
個人的には、日々の診療を通して、刺青の分割切除の途中で治療を辞めてしまった患者さんが予想外に多いと感じています。痛みやしびれなどの自覚症状は他覚所見ではないため、痛みの強さについては定量化もできませんので、クリニック側に都合の良いブラックボックスです。クリニック側からすると、「患者さんが痛がって自分からその後の治療に来なくなってしまった」と言うことなのでしょうか。とはいえ治療の途中で通院しなくなっている患者さんが散見される点については、現代の刺青治療の解決しないといけない課題であると感じております。
腕の刺青ついては大き目のものは、植皮法か削皮法が完結できる治療です。一般的には植皮法の方がきれいに傷跡も目立たないと思われていますが、辺縁が額縁状に盛り上がり、必ずパッチワーク状となりますし、皮膚を採取する部位(採皮部:太ももなど)にも傷あとができます。私の印象では、削皮法を慎重に行った場合が患者さんの一番納得がいく結果になると思います。ただし医師の経験等によって左右される部分だと思います。この部位の削皮後の悪い例としては、有名クリニックで削皮された左上腕部が4か月もの間、広範囲に治癒せず臭い浸出液が出続けて、様々な医療機関に相談して回っている気の毒な20代女性もいらっしゃいました。

※当院での治療結果
症例5

■肩周りの刺青
肩周りとは肩関節の可動域にあたり、広範囲にわたる刺青治療の場合には安静が必要ですし、小さ目の刺青治療でも安静にしていたほうがきれいになると思われます。しかし、小さ目の刺青ではその腕をかばう程度でも良いと考えています。
切除法は、小さな刺青の場合は可能です。ただし肩周りは特によく動かす部位でケロイドの好発部位ですので、大き目の刺青に対しては、切除法だと必ず肥厚性瘢痕になると考えられます。ですので、大きめの刺青治療の際には、植皮法か削皮法をお勧めします。
一般的には植皮法の方がきれいに傷跡も目立たないと思われていますが、辺縁が額縁状に盛り上がり、必ずパッチワーク状となりますし、皮膚を採取する部位(採皮部:太ももなど)にも傷あとができます。私の印象では、肩周りについては削皮法を丁寧に行った場合が患者さんの一番納得がいく結果になると思います。なお削皮法の場合でも、ケロイドの好発部位なので深さや術後処置などについては特に要注意です。肩周辺は医師の経験等によって左右される部分です。

■腋窩(ワキ)付近の刺青
大切な神経や血管が腋窩(ワキ)を走っていることは有名で、痛み・しびれなど神経由来の症状が出やすいので大きな刺青切除縫縮は現実的ではありません。また、腋窩(ワキ)付近の刺青の場合、特に肥厚性瘢痕になるとツッパリ感などの症状が強くなる場所です。腋窩(ワキ)付近でも、刺青の範囲が狭い場合には治療法の選択は多いし、切除も可能です。
しかし、小さなもの以外・広範囲にわたる刺青の場合には、大きめの刺青治療の際には、植皮法か削皮法をお勧めします。一般的には植皮法の方がきれいに傷跡も目立たないと思われていますが、辺縁が額縁状に盛り上がり、必ずパッチワーク状となりますし、皮膚を採取する部位(採皮部:太ももなど)にも傷あとができます。私の印象では、腋窩(ワキ)については削皮法を丁寧に行った場合が患者さんの一番納得がいく結果になると思います。腋窩(ワキ)付近の刺青治療の場合、削除や植皮でも、特に肥厚性瘢痕になりやすいので、できれば浅めの削皮とレーザーの併用、手術にどうしても抵抗がある場合にはレーザーが現実的でしょう。もちろん術後は安静にしていただいた方が、良い結果になります。

■前腕(肘~手首の間)の刺青
前腕とは、肘から手首の間のことを指します。(肩から肘は上腕と言います)前腕は、真皮が薄いため削皮法は向かないイメージですが、経験のある医師であれば削皮法でもきれいに施術することができます。痛みや出血についてもそこまで大きくなることはないでしょう。
削皮後の悪い例としては、この部位の削皮後に肘周囲が肥厚性瘢痕となり硬くなって肘が曲がらず車の運転ができないと言った他院術後症例相談がありました。問題点はどこにあったのでしょうか?患者さんの話からだけで判断すると、おそらく削皮が深すぎたことと、術後の処置が昔風の治療を行っているように思えました。
前腕外側では小さめの場合、切除でも問題ないですが、内側部分(手掌側)には指に向かって神経・血管などの大切な器官の多くが走っているので、ごく浅く丁寧に行った切除でも、神経・血管の障害症状が出ることもあるので注意が必要です。具体的には指先のしびれや手の冷感などがあります。この部分でも分割切除途中で治療の継続をあきらめてしまった患者さんが散見されます。
小さなもの以外・大きめの刺青治療の際には、植皮法か削皮法をお勧めします。一般的には植皮法の方がきれいに傷跡も目立たないと思われていますが、辺縁が額縁状に盛り上がり、必ずパッチワーク状となりますし、皮膚を採取する部位(採皮部:太ももなど)にも傷あとができます。
前腕については削皮法を丁寧に行った場合、患者さんの一番納得がいく結果になると思います。もちろん術後は安静にしていただいた方が、良い結果になります。また、手術にどうしても抵抗がある場合にはレーザーが現実的でしょう。その場合には何回照射しても完全には消せない場合が多いことの説明も必要です。

■手首の刺青
手首の刺青は関節部のよく動く部位にあるためか、狭い削皮でも肥厚性瘢痕のリスクがあります。
前腕同様に、外側(手背側)では小さめの刺青の切除は比較的問題ありませんが、内側部分(手掌側)には指に向かって大切な神経・血管などが多く走っています。そのため、この部位のごく浅く丁寧に行った切除でも、指先のしびれや手の冷感などの神経・血管の障害症状が出ることもあるので注意が必要です。
しかし、手首は断面積の小さな部位に大切な神経・血管・すじなどたくさん走っていますし、関節可動域です。このため、無理な切除では手関節の可動域制限が出現し、肩や肘の痛みまで誘発する可能性があります。
大きめの切除、植皮、深すぎる削皮は目立ちます。できれば削皮、手術にどうしても抵抗がある場合にはレーザーが現実的でしょう。その場合には何回照射しても完全には消せない場合が多いことの説明も必要です。

■手背(手の甲)の刺青
まず、手背(手の甲)は非常にうすい皮膚の下に指を伸ばす伸筋腱が走っており、切除などの手術では注意を要します。伸筋腱を傷つけてしまうと指が伸展不能となったり、手が変形を来したりします。手背(手の甲)にある大きめの刺青を切除した場合、手の動きに障害が残る可能性もあります。特に手首を掌屈させてのMP関節屈曲が不十分となることが多いです。術後の痛みなどの原因となり得るため非常に難しい部位です。
削皮の場合でも、真皮が非常に薄く伸筋腱が露出して痛んだり、皮膚も高度の拘縮を来す恐れがあります。手背の刺青についてはギプス併用の植皮法や削皮法が適応の場合もあると思うので、まずは経験豊富な医師にカウンセリング・相談をして適切な治療法を見つけるのが重要です。レーザーも現実的ですが、その場合には何回照射しても完全には消せない場合が多いことの説明も必要です。

■手掌(手のひら)の刺青
刺青手術をすると最も痛い部位が手のひらです。皮膚や組織の余裕がほとんどなく、動かす部位なので、場合によっては術後もかなりの痛みや、植皮の場合色素沈着して目立ってしまうことも多い部位です。長期経過で見ると削皮法が最も満足度の高い治療法になると思いますが、術後の痛みが2~3週間続くと思われます。
また、手の外科経験のない医師が深く切除すると、指先に行く神経血管束や屈筋権を傷つけて指がしびれたり曲がらなくなる危険性もあると思われます。
できれば削皮、手術にどうしても抵抗がある場合にはレーザーが現実的でしょう。その場合には何回照射しても完全には消せない場合が多いことの説明も必要です。

■指背の刺青
指の背中の刺青については、極小のものだけ切除法を、それ以外の大きめの刺青については削皮がベストです。皮膚の薄い部分なので、皮下の伸筋腱には注意が必要です。伸筋腱が障害されると指の変形を来すこともあります。指が変形すると手全体の機能が悪くなることもあり、簡単に手術をしてよい部位ではないと個人的には思います。手術後に2週間程度ギプスが必要となる場合もあります。
できれば削皮、手術にどうしても抵抗がある場合にはレーザーが現実的でしょう。その場合には何回照射しても完全には消せない場合が多いことの説明も必要です。

■指腹の刺青
刺青除去手術の中で、最も痛い部位のひとつです。手の外科経験のない医師が深く切除すると、指先に行く神経血管束や屈筋権を傷つけて指がしびれたり曲がらなくなる危険性もあると思われます。術後もかなりの痛みや、植皮の場合色素沈着して目立ってしまうことも多い部位です。長期経過で見ると削皮法が最も満足度の高い治療法になると思うが、術後の痛みが2~3週間続くと思われます。手術後に2週間程度ギプスが必要となる場合もあります。
できれば削皮、手術にどうしても抵抗がある場合にはレーザーが現実的でしょう。その場合には何回照射しても完全には消せない場合が多いことの説明も必要です。

■指側面の刺青
極小の刺青や細長い刺青の場合は切除も可能です。しかし、指の関節をまたいでの刺青切除は、肥厚性瘢痕となり痛みが残ったり指の動きが障害される可能性もありえます。側面の切開では肥厚性瘢痕になりにくいのですが、皮膚切除法を伴う場合は可能性が跳ね上がります。
数例削皮を行いましたが、思いのほか良い結果となりました。しかし、手術後に2週間程度ギプスが必要となる場合もあります。
できれば削皮、手術にどうしても抵抗がある場合にはレーザーが現実的でしょう。その場合には何回照射しても完全には消せない場合が多いことの説明も必要です。

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