最新の刺青レーザー機器の発表を聞いて

最新の刺青レーザー機器の発表を聞いて2016/6/22更新

最新の刺青レーザー機器の発表

先日の学会で、最新のレーザー機器の発表がありました。

発表を聞いたところ、最新レーザーは圧巻の切れ味で、
従来のどの刺青除去レーザーよりも性能がよく
スピーディに刺青を薄くできることはほぼ間違いありませんでした。

演者の先生方は誰一人とっても刺青やタトゥーのレーザー除去分野で
知らぬ人がいないようなご高名な先生方ばかりでしたが
最新レーザーを使った経験に基づく臨床的・具体的な話は少なく、

物理や高等数学を彷彿とさせるような話が多かったことと、
発表される症例解説では、
「3回でこんなに薄くなりましたので、5回程度で消えます」と言った、
「実際に5回照射していないのになぜ断言できるのですか?」 と思わせられるような
説明内容ばかりだったことも特徴的でした。

まさに、「机上の空論」と言った言葉が頭に浮かぶほどでした。

また、講演で出てくる症例の9割が
刺青やタトゥー除去の途中経過にしか見えない写真ばかりでした。

正直、私たち専門家が見ても、「これはキレイに取れた!」と言えるような
症例は1つあるかないかという状況でした。

このようなチャンピオン症例ですら
患者さんから見ると「とれた」と思わないかもしれません。

そもそも、学会という場所は良くも悪くも「チャンピオン症例」と言って
一番出来栄えの良い写真ばかりが出てくる場所です。

学会などの公の場で途中経過とも取れる症例を出す意味は、
●痛みなど何らかの理由で治療を途中であきらめた
●10年~20年のような非常に長い治療期間がかかる
●50回・100回といった膨大な治療回数がかかる
●そもそも誰も、最新レーザーで刺青やタトゥーが取れなかった
上記のいずれかです。

どれだけ高性能の最新レーザーでも、
患者さんから見て「消えた」と感じる治療ではないと意味がありません。

そもそも患者さんは「刺青の墨」と「刺青を彫った際の傷」の複合物を
ひっくるめて刺青やタトゥーだと認識しており、
これら【全部】を消すことを望んでいます。

学会に出席して感じたことは、
発表する先生方が全く患者さん目線でないと言いますか、
患者さんが期待している点には気づかないふりをしていて、

医者とレーザーメーカーの目線とでも言うのでしょうか?
自分たちの都合のいい部分だけを並べているような、
そんな雰囲気すら感じました。

もちろん、これらのレーザー治療を行っている先生方も、
他院で刺青の分割切除を途中まで行ってケロイドのようになったり、
傷口がはじけて膿が出続けているようなひどい結果を見ているでしょうし、
様々な経験を踏まえた上で、使命感をもって取り組んでおられるのかもしれません。

ですが、治療に限らずどのような物事でも、
仮説の置き方や検証の仕方によって
結論をどのようにでも導くことができます。

わたくしと同じようにその会場でそのような講演を聞いていた他の医師達は
どのように感じられたのでしょうか。

「刺青やタトゥーの画期的な治療が出てきた」
「刺青治療の新時代が到来した」
と有頂天になられたのでしょうか?

それとも冷静に、
「確かに良いレーザーだが、従来のレーザーの延長線上にあるものでは」
と思われたのでしょうか?

患者さんだけではなくプロである我々医者も、
もっとアンテナを高くしてさらに勘を磨いて、
色々な視点で物事を見れるようにして
日々の治療に当たらないといけないと思います。

そのためにも、幅広いジャンルの読書をしたり、
別の分野の専門家と会食をするなどで新しい知識を常に吸収することが重要です。

わたくしは小学生のころから本の虫中の虫で
時間があったら1日10冊読めるほど活字中毒ですが・・・
読書スタイルは、ノンフィクションを沢山読み続けることがお勧めです。
ノンフィクションは小説よりもずっと内容が濃く
ぎゅっと凝縮されていると言えます。

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