熱傷専門医でも経験が少ない削皮治療

熱傷専門医でも経験が少ない削皮治療2016/4/25更新

左右の上腕のタトゥー除去を希望して来院された女性です。

実はすでにこの女性は
有名なクリニックで右上腕タトゥーの分割切除を2回受け、
赤黒く目立つ傷跡になってしまったことに納得せずに
左腕のタトゥーを別の有名クリニックに相談していました。

そしてレーザー除去治療を3年かけて10回行ったものの、
刺青がそのままの形で赤黒い傷跡になってしまったそうです。

その後、もっと良い方法がないかとネットを調べ、
「削る治療」に興味を持ち当院にカウンセリングに来られました。

そしてカウンセリングの際にこの女性から、

「クリニックによる削皮治療の特色や違いを教えて下さい」

という質問をいただきましたが、

正直、実際に刺青を削ったことがあるクリニックは
ほとんどないのではないかと考えていますし、
少なくとも境クリニック以外のクリニックで・
刺青治療において削皮手術をたくさん行っているクリニックは
皆無だと思います。

簡単に「刺青を削る」と言っても、
相当の治療経験と技術力がなければこの治療法はできません。

実際に削皮治療を何百症例もこなしてみないと分からない
問題点や改善点もあります。

また広範囲熱傷などの皮膚移植経験がなければ、
身体の部位ごとの削皮の方法などを把握する機会もないでしょう。

刺青は部位も様々であれば、色も質も深さも様々です。

相当の症例経験がないとその判断は大変難しく、
ほぼ曲芸ともいえる代物です。

例えるなら砂場で小さな落し物を探すようなもので、
0,01mmの深さの違いが手術の結果を左右するほどです。

中には他のクリニックで削皮治療をされた方が
相談に来られることもありますが、
この場合、全体が醜く盛り上がった赤黒いケロイド状で
植皮や分割切除治療以上にひどいものばかりです。

他院で削皮治療を受けて来院されたケースで言えば、
このようなひどい状態だった症例の確率は実に100%、
全員が、ものすごい状況でした。

これには、火傷の専門医が手術を実際に行う機会が
減ってしまったことも関係しているようです。

わたくしが総合病院の形成外科に勤務していた約15年前頃
火傷の治療はとても多く、土日もないほど大量の手術を行っていました。

ですが、今は長年の啓蒙活動の成果によって
家庭で生じるやけどが年々減少しています。

また不景気による工場の海外移転で労働災害的な火傷も極めて減少し、
症例自体がどんどん減っています。

また、やけど治療関連の技術や治療法が進歩したこともあり
火傷の削皮治療や植皮治療が激減しているようです。

熱傷専門医の先生でも、削皮治療や植皮治療の経験を
積みにくい時代になっているのが現状のようです。

先日刺青治療に関するニュースにコメントさせていただきました。

刺青除去専門クリニックはこちら

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